
運用実績
ワインは優れた投資対象です。具体的な運用実績を公開しています。
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2024年第4四半期の
レポート

2024年第4四半期のハイライト
2024年第4四半期、世界的なワイン投資市場は厳しい状況が継続しました。Liv-ex※の主要な市場指標であるLiv-ex Fine Wine 100およびFine Wine 1000はともに下落基調が継続し、第4四半期には市場全体がさらなる調整期に入りました。Liv-ex Fine Wine 100は年間で9.2%下落し、Fine Wine 1000は11.1%の下落を記録しています。
一方で、市場の取引参加者は高い水準を維持し、取引件数は前年比5.5%増加。ただし、取引量は1.9%減少しました。
イタリアやカリフォルニアのワインが市場の下落の中でも比較的安定したパフォーマンスを見せており、特にトスカーナ地方のスーパータスカンが需要を牽引しています。
2024年後半から2025年にかけて、ボルドーやブルゴーニュでは過剰在庫の解消と価格の底値が期待されています。
※Liv-ex :The London International Vintners Exchangeの略でロンドン国際ワイン取引所を意味します。

注目すべき数字
77%
2024 年の高級ワイン市場について
楽観的または中立的だった販売業者※Liv-ex 調査より
33%
今年高級ワインに投資する可能性が高い
超富裕層の割合※ナイト・フランク・ウェルス・レポートより
ワインの地域別パフォーマンス
2024年第4四半期のワイン投資市場は、地域ごとに異なる動向を見せました。ボルドーは価格調整が進む一方、古いヴィンテージが相対的に安定した需要を維持し、特に2009年以前のワインは堅調なパフォーマンスを見せています。一方、ブルゴーニュは高価格が需要減退を招きましたが、シャブリは手頃な価格と長期保存可能な品質から注目されています。シャンパーニュは消費が安定しているものの、価格の下落が続き、特に高価格帯のワインが影響を受けています。イタリアでは、トスカーナが市場をけん引し、特にアメリカ市場での需要が拡大。全体として、適正価格や消費主導の需給バランスが市場活性化の鍵であることが明らかです。
資産の投資指数の浮き沈み(2023年月末までの10年間保有)
地域 | 過去5年の実績 |
---|---|
シャンパーニュ | 30.6% |
イタリア | 18.4% |
ブルゴーニュ | 17.0% |
Liv-ex 1000 | 5.2% |
カリフォルニア | 4.7% |
ボルドー | -0.6% |
+6.66%
当社ワインファンド1号の2024年の運用実績は、+6.66%
Liv-exの発表するFine Wine 1000指数が年間で-11%超下落する中、当社のワインファンド1号の年間運用実績は+6.66%となりました。
社内専門家により選定された希少ワインを中心としたポートフォリオの価格上昇、独自のワインの購入ルートがファンドのパフォーマンスに寄与しています。
日本のワイン市場は価格面で国際ワイン市場と異なり、長引くデフレによりこれまでワインの価格上昇が国際市場より緩やかであったことと相まって、小売や飲食店でのワイン価格は継続的に上昇しています。
ファインワインの展望
高級ワイン市場は2024年第1四半期も逆風にさらされていますが、細部を見れば一目瞭然です。すべての地域で業績はまちまちで、当社が選んだ生産者やワイン全体で均一というわけではありません。また、この四半期は各月ごとに雰囲気が異なり、3月には状況が著しく改善したため、慎重ながらも楽観的な見通しを示すことができたとも言えます。
最近の価格調整により、買い手にとって真のチャンスが生まれており、他の資産クラスがピークに達し、金利見通しがより好ましいことから、高級ワインなどの物理的かつ有形資産への再配分が見られると考えています。当社は依然として買い手市場にあり、現在の状況を活用するために、堅調なファンダメンタルズと価値の下落しているワインへの戦略的配分をお勧めします。
ボルドーの第4四半期実績
ボルドー市場は2024年を通じて低迷が続いており、特に2015年以降のヴィンテージは価格の調整が進んでおり、需要の伸びに苦戦しています。
一方で、2009年以前のヴィンテージは消費による需要が高いため、比較的安定した価格を維持しています。
価格の調整期に入ったことで、ボルドーの高価値ワインが愛好家にとって魅力的な購入タイミングとなっています。ラフルール2019年やペトリュス2018年が市場価格を下回る取引を記録し、Bordeaux 500指標の銘柄の36%以上が割安で提供されていました。ボルドーが市場の取引額の約50%を占め、シャトー・ラフィット・ロートシルト2019年が最も活発に取引されました。
ブルゴーニュの第4四半期実績
ブルゴーニュの市場では高価格帯が続いていますが、需要の減少により価格調整が進んでいます。特にブルゴーニュ150指数は大きく下落し、消費者の購買意欲が抑えられていることが背景にあります。
ただし、シャブリは注目を集めており、特に高品質なシャブリ・グラン・クリュは価格が手頃で長期保存が可能なことから、コレクターや投資家にとって有力な選択肢となっています。
シャンパーニュの第4四半期実績
シャンパーニュ市場は長期的には最も高い成長率を記録しており、消費が安定しているものの、価格調整の波を受けています。シャンパーニュ50指数は第4四半期に2.5%下落し、特にクリスタル2015はリリース価格から34.5%の値下げが確認されています。価格調整が続く中、投資家にとっては割安に良いヴィンテージのワインが購入できる機会となっています。
イタリアの第4四半期実績
イタリア市場は他の地域に比べて比較的安定しており、Liv-ex Italy 100指数は年間の下落率が6.0%と最も小さいものでした。特にトスカーナ地方のワインが需要を牽引しており、アメリカ市場での取引量が前年より69.3%増加したことが安定を支えています。
トスカーナではスーパータスカンに加え、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどの銘柄が注目を集めており、これらのワインは生産量が少なく希少性の高さが支持されています。
アメリカの第4四半期実績
アメリカのカリフォルニアワイン市場は一部で低迷が見られます。特にCalifornia 50指数が2.5%減少し、高価格帯のワインが需要の減少に直面しています。