【出張レポ】メドック編#2
目次
シャトー・マルゴー
シャトー・マルゴーの外観
今回訪問するのは「シャトー・マルゴー」、一級シャトーへの訪問のためとても緊張しました。
普段は完全に閉じている所有者であるメンツェロプロス家の私邸の門は珍しく開いており、ラベルにも描かれているその門の様子が目前に広がり、とても興奮しました。
個人宅でもありプライベートスペースですから入れるわけではないのですが、プリムールで多くの人が見に来る写真撮影スポットとするためだったのか、門が開いていたのは印象的でした。
ワインテイスティング
整然と並ぶステンレス製の発酵槽の間を抜け、テイスティングルームに進みます。
暑い年で雨が少なく収量減
収量減の影響で、パヴィヨン・ブランは平年の半量程度、パヴィヨン・ルージュはなんと例年の三割ほどの生産量しかできない見込みとのことで、降水量が少なかった影響が大きく出ていたようです。
ワインの素晴らしいバランス
暑い年だった一方で、果実味の凝縮感はありながらも、キレイな酸を残しているのはさすがです。
2003年のように酷暑により酸が少なかった年の反省からか、はたまた温暖化の影響か、2015年以来の暑い年が続いていることによるノウハウの蓄積か、暑い年のワインのバランスのとり方がうまくなった生産者は年々増えている印象です。
トップクラスのシャトーは、長所を存分に表現しながら、見事なバランスで仕上げています。
パヴィヨン・ブランが印象的
特に印象的だったのは、パヴィヨン・ブラン。
凝縮感のある果実味にフレッシュ感あふれるハーヴのニュアンス。かすかなほろ苦さ豊かな酸味。
この酸を骨格としながらも、豊かな要素でキレイにバランスがとれていました。
マルゴーの立地
サンテステーフからサンジュリアンは地続き
サンテステーフ、ポイヤック、サンジュリアン、マルゴーというのは、どれも等間隔で並んでいるようなイメージではありますが、実際は、サンテステーフからサンジュリアンは地続きです。
マルゴーは比較的大きな産地
マルゴーまでは移動に30分、距離は20kmほど離れています。
サンテステーフ、ポイヤック、サンジュリアン=ベイシュヴェルの各村は、その村単位で一つの産地です。(※)
一方、AOCマルゴーに含まれるのはマルゴー村だけではありません。複数のコミューン(自治体)も含まれています。
マルゴー=カントナックをはじめ、アルサック、ラバルド、スーサンと、近隣あわせて4つの自治体をまとめた比較的大きな産地です。
訪問を通じてそれぞれのシャトーの位置関係や時間距離がしっかりと頭に入ってきたのはいい勉強になりました。
※実際は隣接するコミューンのごく一部の区画を含む場合がある
≫次回「出張レポート#3」へ続く
(出張レポート:川崎 大志 / 編集:池田 眞琳)