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【出張レポ】メドック編#1

今回はボルドーで行われたプリムール(※)のレポート<メドック編>をお届けします。

※「プリムール」とはフランス語で「1番目の」を意味し、ワインでは「新酒」を指します。
「ボルドープリムール」はまだ樽で熟成している段階の新酒のワインを、瓶詰め前に売買する、ボルドー独自のシステムです。

シャトー・ポンテ・カネ

プリムールの会場はボルドーの各シャトーで開催されます。
シャトー・ポンテ・カテにおける訪問についてレポートします。

シャトー・ポンテ・カネの建物

 

シャトー・ポンテ・カネは昨年事務所で火災があったとのことで、シャトーの一部建物は復旧作業中。
ところどころに火災の爪痕が残っています。

フランスも建物の基本構造自体は石造りがベースとはいえ、床や天井、屋根の骨格といった多くの部分に木材が使われているため、相応の被害が出てしまうようです。

基本構造が残っている分、遠くから見る分には無事に見えてしまうのではありますが…….

テイスティングランチ

 

テイスティングランチでは最新ヴィンテージを試飲しながら食事。

テイスティングは、ハーフボトルを一本カラフェに入れ、しっかりとエアレーション。

こうしてワインを空気に触れることですることで、香りが開くため、若いヴィンテージであっても、そのワインのポテンシャルを感じることができます。

サステイナブルへの取り組み

馬で耕作

 

ポンテ・カネで興味深いのは、馬を使った耕作を実践しているようで、シャトーの厩舎には複数の馬がいるではありませんか。
訪問時は、ちょうど蹄鉄の下の爪を焼き切る作業をしていました。

かつては、フランスにおけるワイン造りのためのブドウ栽培の中で多くの生産者が行っていた耕作方法です。

1950年代から60年代にかけてトラクターが広く普及したことにより、1970年代にはほぼ見られなくなってしまったと聞きます。

これを1990年代にブルゴーニュの調教師アベル・ビズアール氏が復活させるまで、ロスト・アートになっていた馬による耕作です。

たった30-40年とはいえ、一度途絶えた技術を復活させるにはずいぶんな苦労があったようです。
いまでは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティをはじめ、馬による耕作を取り入れる生産者が複数見られるようになりましたが、まだまだ少数派です。

よりサステナブルなブドウ栽培への期待が高まる昨今において、こうした馬の導入というものは単にピトレスクなだけでなく、大きな価値を持っているようです。

こうした歴史ある、そして古くて新しい伝統に出会えたのは僥倖でした。

フランス伝統の食事スタイル

「前菜」+「メイン」+「デザート」という三皿構成

 

テイスティングが終わると、シャトーでのランチタイムです。

フランスの食事というのは大変に面白いもので、こうしたシャトーでの個々の昼食会においてなお、コース仕立てで料理が出てきます。

一般的なフランスの食事というものは「前菜」+「メイン」+「デザート」という三皿構成が基本形です。

忙しさを増す現代社会においては、前菜ないしはデザートのいずれかを省略して二皿とすることもありますが、フランス人にとって「前菜、メイン、デザート」という三皿構成が伝統的なスタイルとして今も残っています。

チーズは必須アイテム

 

メインとデザートの間にチーズを食べることが一般的です。

家庭では3-4種類ほどのチーズをタッパーに入れて冷蔵庫で保管しておき、メインのあとに各人の食欲に合わせて好きなチーズを切り分けて食べるというのがよくあるフランスの家庭の姿です。

ネゴシアンの話によると、近年、ミシュランの星付きシェフを招聘してのディナーを行うシャトーが増えるほどプリムール期間中の食事は豪華になっているそうです。

シャトー・ポンテ・カネではプリムールの食事でも最上級に豪華なチーズのサーヴィスがあり、昼食会場では15種類ほどのチーズを取り揃えていました。

食事のお供はワイン

そんな豪勢な食事にはワインがよく合います。

今回はシャトー・ポンテ・カネの2016年が供されました。
ワインとして完成する前のプリムールの試飲で疲れたところに徐々に飲み頃が近づきつつあるワインを味わうと、随分と心が癒されるものです。

 

 

≫次回「メドック編#2」へ続く

(出張レポート:川崎 大志 / 編集:池田 眞琳)

 

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作成者:WINE BANK

執筆:池田 眞琳

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