【出張レポ】サンテミリオン編 #2
シャトー・アンジェリュス
今回は「シャトー・アンジェリュス」の訪問についてレポートします。
格付けの歴史
1996年の格付け見直しの際にプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・Bに昇格。
その後、20年も経たないうちに格付けの最上級に上り詰め、品質向上が目覚しいシャトーです。
2012年の格付け見直しではサン・テミリオンの格付けにおいて、「シャトー・パヴィ」とともに昇格を果たした偉大なシャトー。
昨年のサン・テミリオンの格付けにおいては、不透明な審査基準に対する疑義を呈し、最高位たるプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・Aに格付けをされていたにもかかわらず、その地位を去りましたが、そのワインの実力は不変的です。
シャトーの鐘
「シャトー・アンジェリュス」のワインにはラベルに鐘が描かれています。
シャトーに到着してまず感動したのは、シャトーの屋根の上に鎮座する鐘。あの鐘が本当にシャトーを代表する存在なのだと自分の目で認識した瞬間はとても嬉しかったです。
「アンジェリュス」というシャトー名は植木鉢までその名が書かれており、シャトーのプライドが伝わってきます。
カベルネ・フラン種にこだわり
ブドウ品種では特にカベルネ・フランに注力しているをとのこと。メルロー主体でブレンドする場合もありますが、カベルネ・フランが品質の鍵を握っているとのことでした。
カベルネ・フランは、果実や果梗がよく熟せば、味わいに深みが生まれるますが、未熟だと青臭さが出てしまう難しい品種のため、扱い方によってシャトーの個性が反映される重要は品種です。
セカンドワイン「カリヨン・ダンジェリュス」
セカンド・ワイン「カリヨン・ダンジェリュス」は、セカンドにとどまるのが惜しいと思えるほど豊かな果実味とパワフルさがあり、8割を占めるメルローの柔らかさの特徴がよく出たワインとなっています。石灰岩の高台が続く畑で、フィジャックと同じくメルローの栽培に向くのだとのこと。
アンジェリュスは、カベルネ・フラン由来のスパイシーなニュアンスが印象的で、熟成とともにこのスパイシーさが複雑味に変わってくるのを考えれば、熟成とともにこのワインがどのように変わるのか楽しみです。
次回の出張レポートに続く
次回は「シャトー・シュヴァル・ブラン」「シャトー・フィジャック」の訪問について出張レポートします。
(出張レポート:川崎 大志 / 編集:池田 眞琳)