ワインの輸送・保管
ワインは鮮度や取り扱いが重要な、とても繊細な飲み物です。温度や湿度、光、振動など保管方法によって品質が左右されます。この記事では、そんなデリケートなワインの輸送方法や保管方法についてご紹介します。
ワインの輸送・保管
ワインは樽からできるだけ動かさない方が劣化を防ぐことができます。
例えばオークションで高値になるワインは、フランスで生産されたワインを蔵出しで、フランスやイギリスなどにある信頼された倉庫で保管しておき、オークションに出すまではその倉庫から動かしません。オークションに出され、落札された際に初めて落札者の元へ輸送されます。
ワインは、その輸送前の保管された状態が一番高値なのではと言われています。「動かさなければ動かさないほど価値がある」ワインですが、我々日本人の元へ届くまでには、どのように輸送され届くのでしょうか。
海外から日本への輸送方法
船便
多くは「リーファーコンテナ」と呼ばれるコンテナに積まれ、コンテナ船で日本へ届きます。「リーファーコンテナ」とは、主に食品や医薬品などの貨物を輸送するために使用される、温度管理が可能なコンテナです。
一般的には-20℃から+20℃までの温度範囲で設定することができ、貨物の種類や輸送条件に応じて温度を調整することができます。
ワインの場合、12~18度くらいの温度設定で、2~3カ月ほどの時間をかけて日本まで旅をしてきます。
輸送単位は1本ごとではなく、1パレットごとにまとめて輸送するワイン業者が多いです。1パレットには通常、12ボトルケースを約60ケース積載が可能です。
それにより送料1本単位での輸送よりも1本あたりの輸送単価を抑えることができます。船便での輸送のメリットは温度管理ができ、揺れが少なく、また航空便よりコストを抑えることができることです。
コンテナの種類
コンテナには長さ20フィート(約6m)と40フィート(約12m)のものがあり、一般的には20フィートコンテナには10~11パレット、40フィートコンテナには20~22パレット程度が積載可能と言われています。
※上記はあくまで目安であり、実際にはパレットのサイズや積み方、ワインボトルの形状やサイズによって変動します
日本へ到着後の流れ
長い時間をかけてリーファーコンテナで運ばれてきたワインは、保税倉庫へ搬入されます。この保税倉庫にもランクがあり、リーファー対応できている倉庫とできていない倉庫があります。
安価なワインやウイスキーなどはリーファー対応してない倉庫へ搬入することもあるようですが、高額なワインはリーファー対応できている倉庫へ搬入します。
蔵出しされ、次にリーファーコンテナに積載され、日本のリーファー対応の倉庫で保存されるまでの間、一定の温度帯を維持して運ばれます。
その後、リーファートラックに乗せられ、各倉庫へ配送されます。より保管環境がよく信頼度の高
ワインショップで購入後の輸送・保管
個人での輸送
では、個人ではどのような輸送方法があるのでしょうか。
ワインを購入後、振動に気を付けて運ぶ必要があるため、輸送で運ぶのか手持ちで運んだ方がよいのか迷われる方もいらっしゃると思います。
実はどちらの輸送方法でも味はほとんど変わりません。
ただし、40~50年物などの古酒で、コルクが痛みやすくなっているワインは、輸送の際に揺れを気にした方がよいでしょう。大抵のワインはそこまで扱いに気を使う必要はありません。
自宅での保管
真夏の日差しが照りつける中にワインを1日中置いていたら話は別ですが、20度くらいの室内に出していてもほとんど劣化しないでしょう。
一方、投資用として長期熟成させることを想定していたり、高級なワインはより品質を保持するための保管が必要です。
冷蔵庫では温度が低すぎるのでワインセラーに保管したり、レンタルセラーに預けたりする方法が最適です
まとめ
本記事ではワインの輸送・保管について紹介しました。
輸送や保管方法の違いによって品質が左右されるため、ポイントを知っておくことが重要です。
ただし、デイリー用に購入して楽しむ際にはそこまで気にしなくても大丈夫です。普段ワインを楽しむ際は、あまり気を張らず、ゆっくりワインの時間を楽しんでくださいね。