ワイン投資銘柄の選び方
2000年以降、リーマンショックやコロナショックという経済危機の影響もあり、お金の価値が変わってきました。
金やプラチナ、大豆などと同じように実物資産としての資産性があり、経年による価値の上昇も期待できるワイン投資が、近年富裕層を中心に人気を集めています。
この記事では、ワインの代表的な銘柄や、ワインを知らなくてもその名前だけは知っているほど有名なロマネコンティについて、ワイン投資におすすめの銘柄やワイン投資のやり方をご紹介します。
ワインの銘柄について
代表的なワインの銘柄
日本でも高い人気で年々消費量が増加傾向にあるワイン。消費数量は10年間で約1.3倍となっています。せっかくワインを楽しむなら、有名なワイナリーは押さえておきたいところ。
今回はフランスで最も有名な銘醸地であるボルドー、その中でも世界のワイン通憧れの最高級ワインとして有名な「5大シャトー」と呼ばれるワイナリーを紹介します。
シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite Rothschild)
5大シャトーの中でも「グランクリュ第1級の中の1位」と格付けされたシャトー・ラフィット・ロートシルト。「王のワイン」と呼ばれる最高級の赤ワインです。
シャトー・マルゴー(Château Margaux)
5大シャトーの中で最も女性的と評され、「メドックの女王」と讃えられ、力強さとエレガントさを兼ね備えています。
シャトー・ラトゥール(Château Latour)
世界で最も有名なワイン評論家の一人であるロバートパーカー氏から「世界で最も凝縮感のある、豊かでタニックなフルボディ」と高評価を受け、最も男性的なボルドーワインと言われています。
シャトー・オー・ブリオン(Château Haut-Brion)
1855年のメドック格付け当時からあまりにも有名であったため、5大シャトーの中で唯一、メドック地方外のグラーヴ地方から選ばれたワイン。5大シャトーの中で最もエレガントと評されるワインです。
シャトー・ムートン・ロートシルト(Château Mouton Rothschild)
1973年に、格付けの歴史の中で唯一2級から1級に昇給したシャトー・ムートン・ロートシルト。味わいはもちろん、稀代の著名なアーティストが描くアートラベルで世界中のワイン愛好家を楽しませています。
世界最高峰のワイン「ロマネ・コンティ」
ボルドーと並んで有名な産地、ブルゴーニュ地方において超高額で取引される高級ワインです。「ロマネ・コンティ」の歴史は非常に古く、13世紀からワインの生産が行われていたとされています。
生産量が限られている「ロマネ・コンティ」の畑の面積はわずか 1.8haという小ささです。そのブドウから造られるワインは、年間平均でたった6,000本程度。
「ロマネ・コンティ」のワインは、品質の高さ、複雑さ、長期熟成の可能性などが高く評価され、世界中のワイン愛好家から熱狂的な支持を集めています。
ワイン投資としての銘柄選定
前述では世界的に有名な銘柄を紹介しましたが、ここではワイン投資に向いている銘柄を選定する大きなポイント3点をご紹介します。
ワイン投資銘柄選びのポイント
誰もが知っている世界的に有名なワインである
生産量が少ない(供給数が少ない)
一般的にボルドー、シャンパーニュ、ブルゴーニュというフランスの三大有名地方の中ではブルゴーニュの生産量が圧倒的に少なく、「ロマネ・コンティ」の年間平均生産数6,000本程度に対して、ボルドーの5大シャトーは約240,000本程と、本数に大きな差が存在します。
生産本数の違いは手にすることのできる人に差が生まれ、需給のアンバランスが希少価値につながります。また、生産本数は年によってバリエーションがあるため、各年代で価値は変わります。
パーカーポイントなどの評価ポイントが高い
例えば「ボージョレ・ヌーボー」は数が少なく知名度はありますが、早飲み用の季節商材で、価格も安価なため、一般的にはあまり値が上がるワインではありません。そこで、知名度・希少性に加えて評論家やワイン雑誌の評価ポイントが重要な観点になってきます。
評価ポイントとして有名な指標に「パーカーポイント」が挙げられます。これは、世界で最も有名なワイン評論家の一人である「ロバート・パーカー(ロバート・M・パーカーJr.)」が考案したワインの評価を左右する得点を指します。
パーカー氏の影響力は非常に大きく、彼は一度飲んだワインは例え10年後であっても味を忘れないほど、高いティスティング能力を持っていると言われており、「神の舌を持つ男」と称えられています。
パーカーポイントはワインの値段に絶大な影響を与えており、高得点がついたワインは価格が跳ね上がることもあるのです。パーカーポイントは100点満点方式でワインを公平に採点しているため、初心者でも評価がわかりやすいのが特徴です。
飲んで楽しむこともワインならでは
このようにワインを評価する基準となる機関や得点がワインの価値に影響する重要な要素です。
上記のような傾向はあるといえども、投資に絶対はありません。最後は自分が好きな味の銘柄を選ぶことで、「失敗」にはならないのではないでしょうか。ブルゴーニュワインが好きな人がいればナパワインが好きな人もいて、ボルドーワインが好きな人もいて、それぞれ好きなポイントが違ってきます。
最終的には、仮に思うように値が上がらなかったとしても、自分で飲んで楽しめばいい、と思えるワインを買うことが一番良いのかもしれませんね。
ワイン投資の魅力
ワインを投資対象とするメリットは主に3つあります。
- オルタナティブ投資に向いている
- 値崩れを起こしにくい
- 自身で楽しむことができる
特にワイン投資の魅力は趣味の一環として楽しみながら投資できるという点が大きいのではないでしょうか。投資を目的に複数のワインを所有しても、思うように価格が上がらない銘柄もあるかもしれません。そのような場合でも自身で飲んで楽しむという選択肢がありますし、年代物のワインをコレクションすることが楽しいというコレクターの方もいるでしょう。自身で楽しむことができるので、デメリットがなくなりメリットが強くなる、この点がワイン投資の良いところです。
ワイン投資のメリットやデメリットは「ワイン投資とは?」で詳しく紹介しています。
ワイン投資のやり方
ワイン投資のやり方には大きくわけて3つのパターンがあります。
- 自身で知識をつけ、個人で行う
- ワインファンドなど金融商品に投資する
- プロの意見を聞きつつ、個人で行う
思うように価格が上がらなくても飲む楽しみがある、という場合は、独学で個人で行ってもいいかもしれません。どの方法で行うかは、個人の「時間の使い方」にもよるのではないでしょうか。その他2つのパターンの場合、個人で行うよりも時間はかかりませんが、自分が後悔しない、信頼出来るアドバイザー選びが重要となってきます。ファンドなど金融商品に投資する場合、リスクやそれに見合うリターンであったり、パフォーマンスに納得出来るのであれば最も自分の時間を使わずに済みます。
ワイン投資のやり方の詳細については「ワイン投資のやり方」で詳しく紹介しています。
まとめ
ワイン投資は分散投資向きで、リスクヘッジできる有効な資産運用の一つです。経年により価値が高まる可能性が高いため、中長期投資に向いています。
ワインがお好きな方は、ぜひワイン投資も資産運用の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。